1. 6〜7%の自給率

日本の大豆自給率は6〜7%である。93%以上を輸入に頼る。令和6年の輸入量は317万トン。内訳は、アメリカ66%、ブラジル23%、カナダ10%である。

参照(農林水産省・大豆の輸入先):
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0011/07.html

味噌、醤油、豆腐、納豆、油。和食の基盤は、ほぼ全て海外産の大豆でできている。

  1. 自由化とショックの記憶

・1961年:大豆の輸入自由化。国内生産は縮小に向かった
・1973年:アメリカが大豆の輸出を一時禁止(大豆ショック)。日本は「食料を外交カードにされる」ことを経験した

参照(アメリカ大豆輸出協会・食用大豆):
https://ussoybean.jp/soy-power/foods

参照(RIETI・山下一仁「何が食料自給率を低下させるのか」):
https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yamashita/06.html

1973年の教訓は「調達先を分散せよ」だった。その結果、日本企業はブラジルに向かった。

  1. 三菱商事とセラード

2013年、三菱商事は約500億円でブラジルの穀物大手セアグロを買収し、Agrex do Brasilとして大豆・トウモロコシの調達を倍増させた。

参照(日本経済新聞・三菱商事のブラジル穀物大手買収):
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD310G1_R30C13A5MM8000/

Agrex do Brasilは、ブラジルで穀物の集荷・販売・農業資材供給・生産を一貫して行う企業である。舞台はセラード——かつて「不毛の大地」とされた熱帯サバンナで、今は世界有数の大豆地帯になった。

参照(三菱商事・Agrex do Brasil プロジェクト事例):
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/about/project/agrex-do-brasil/

  1. 2026年3月——保護の仕組みが外れる

2026年3月、ブラジルの大豆業界大手はアマゾン大豆モラトリアムからの脱退を表明した。これは2006年以来、アマゾンの新規伐採地で作られた大豆を買わないという業界の自主規制である。

参照(Vegan FTA・ブラジル大豆業界のモラトリアム脱退):
https://veganfta.com/jp/2026/03/24/brazilian-soya-giants-abandon-amazon-safeguard-raising-deforestation-fears/

日本の食卓の豆腐と、アマゾンの森林は、一本のサプライチェーンで繋がっている。1973年のショックへの対応として作られたブラジル調達網が、今度は森林破壊のリスクを抱えている。

  1. 問い

・自給率6%の作物に、日本はなぜ自給政策を取ってこなかったのか
・調達先分散の結果、ブラジルの大地開発に日本企業が投資した——これは「備え」か、「移転」か
・モラトリアム脱退後、日本の輸入大豆がアマゾン破壊に繋がらないと誰が保証するのか

結論は書かない。数字と年表は公開資料の通りである。

(執筆: 2026-09-24 / 参照した資料の複製は全て保存済み。元リンクが切れた場合はコメントでお知らせください)


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