- 4年で約9倍
OSA(政府安全保障能力強化支援)の予算額は、以下の通りである。
・令和5年度:19.75億円
・令和6年度:50億円
・令和7年度:80億円
・令和8年度:181億円(前年度比124.9%増)
参照(財務省・令和8年度予算案):
https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2026/seifuan2026/05.pdf
4年で約9倍である。対象国は令和7年度にフィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、パプアニューギニア、スリランカ、トンガ、フィジーの8か国へ拡大した。
- 供与内容——レーダーから施設建設へ
令和7年度80億円の供与内容は、各国ごとの書簡署名文書で確認できる。
・フィリピン海軍:複合艇格納施設・進水路(施設建設)
・インドネシア:高速警備艇
・スリランカ海軍:監視用UAV
・タイ国軍:災害対処・捜索救難機材
・パプアニューギニア国防軍:災害対処・道路構築用重機
・フィジー国防軍:緊急医療用機材
・マレーシア:潜水作業支援船・停戦監視用機材
・トンガ国防軍:UAV・制服
参照(外務省・OSA関連発表・各国書簡署名):
https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/ipc/pagew_000001_02082.html
初期の「監視レーダー・警備艇」から、「施設建設」へ——供与の形態が広がっている。
- 法律を通していない
OSAの根拠は2022年12月の国家安全保障戦略であり、独立した法律は存在しない。予算は外務省の一項目として計上され、案件ごとの国会審議は行われない。
参照(国家安全保障戦略):
https://www.cas.go.jp/jp/siryou/221216anzenhoshou.html
2023年には、フィリピン空軍向け警戒管制レーダー(三菱電機製、約55億ペソ)の輸出が防衛装備移転三原則に基づく初の完成品輸出として決まっている。
参照(防衛省・フィリピンへの警戒管制レーダー移転):
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2023/11/02d.html
参照(Inquirer・フィリピン空軍レーダー契約55億ペソ):
https://globalnation.inquirer.net/186045/japanese-firm-bags-p5-5-b-ph-air-force-air-defense-radar-project
- 国会の記録
この制度については、衆議院で質問主意書が提出されている(第211回国会・質問第59号、神津たけし議員)。政府は答弁書で制度の概要を述べたが、個別案件の事前審査の仕組みは設けられていない。
質問主意書(衆議院):
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a211059.htm
答弁書(衆議院):
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b211059.htm
- 問い
・法律なき制度が4年で約9倍になったことを、誰が止められるのか
・「災害対処」の名で供与された重機・UAV・警備艇は、どこで線引きされるのか
・供与先8か国は、第1話の食料輸入先・第5話の投資先と重なっていないか
結論は書かない。書簡文書・予算書・国会記録は全て原本を保存してある。
(執筆: 2026-09-24 / 参照した資料の複製は全て保存済み。元リンクが切れた場合はコメントでお知らせください)
#OSA #防衛装備移転 #外交 #一次資料
https://bibouroku-migaku.jp/2026/09/27/3wa/◀ 前:第3話 ナタデココ——ブームのあとに残るもの
次:第5話 85兆円——署名された覚書の中身 ▶https://bibouroku-migaku.jp/2026/09/27/5wa/